2018年2月21日、三菱重工サーマルシステムズ株式会社(以下、三菱重工サーマルシステムズ)と中部電力株式会社は、環境負荷を大幅に低減するとともに、外気温度マイナス20度から75度の温水取り出しを可能とした工場向け空気熱源循環加温ヒートポンプ「Q-ton Circulation(キュートン サーキュレーション)」(以下、同ヒートポンプ)を共同開発し、三菱重工サーマルシステムズが2018年8月より販売を開始すると発表した。
工場で脱脂や部品洗浄などに用いる温水を作るため、優れた効率で省エネに貢献するヒートポンプが用いられているが、従来のヒートポンプには、地球温暖化係数(Global Warming Potential、以下、GWP)がCO2の約1,430倍から2,090倍になる冷媒が使用されており、低GWP化が求められていた。
同ヒートポンプは、GWPが従来の約10分の1で、規制値150をクリアするR454C(GWP146)を、日本国内で初めて採用し、環境負荷を大幅に低減した。
さらに、二段圧縮冷凍サイクルを採用して低外気温時の出湯温度低下を防止し、室外温度マイナス20度から43度の広い範囲で、75度の温水を供給するとともに、冷凍サイクルを最適設計して高いエネルギー効率を達成しており、工場用ボイラからの更新の場合、年間ランニングコストを約67%削減している。
なお、IoT技術を活用し、遠隔で機器の状態を監視する三菱重工サーマルシステムズのサービス「M-ACCESS(エム-アクセス、Mitsubishi-internet-Access)」に対応する予定で、24時間監視可能なため、機器の不具合発生時にも迅速なサービスを提供できるとのこと。
(画像はプレスリリースより)
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中部電力 プレスリリース
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