切羽崩落の予兆を画像認識技術で瞬時に検知して安全性を飛躍的に向上
2018年2月19日、株式会社大林組は、国立学校法人岡山大学との共同研究により、山岳トンネルの施工時に切羽(掘削面)の画像から崩落の予兆を瞬時に検知する「ロックフォールファインダー」(以下、同システム)を開発したと発表した。
山岳トンネル工事では、岩石の落下(肌落ち)に注意する必要があり、崩落の予兆を察知するために、監視員が常に切羽の状況を監視しているが、小さなひび割れやわずかな剥落などすべての予兆を目視で捉えることは困難であった。
ロックフォールファインダーの特長
同システムは、ビデオカメラで切羽を撮影し、背景差分法と呼ばれる画像認識技術で、現在と約0.1秒前の画像を繰り返し比較することで切羽の変化を捉え、小さなひび割れのほか、直径10mm程度の微小な落石に対しても石が動き始めてから0.5秒以内に検知できる。
なお、重機や人の動き、あるいはカメラの振動によっても画像は変化するが、同システムでは切羽における変化だけを正確に捉えて、作業中の建設技能者に対してより早く退避を促すことが可能だ。
また、同システムは、市販のビデオカメラ、ノートパソコンや警告灯などで構成されているため、トンネルジャンボの上部にビデオカメラやノートパソコンを設置し、遠隔操作・監視も可能であるため、工事現場のどこにいても切羽の状況を確認できる。
(画像はプレスリリースより)
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