2018年1月29日、株式会社竹中工務店は、高層部をRC造、低層部をS造(柱CFT・梁S)の混構造を可能にする接合工法「iRSシステム」(以下、同システム)を開発したと発表した。
都心部における近年の再開発事業では、高層部に集合住宅、低層部に商業施設あるいは事務所が入る複合用途建築に対するニーズが増加している。
しかしながら、集合住宅では遮音性など居住性確保に優れたRC造が適しており、柱間隔が比較的狭くなる一方で、商業施設や事務所ではスペースを確保して快適性を向上させるために、柱間隔を広く取ることのできるS造が適しており、これらの特性を両立させるのに課題があった。
従来は、高層部のRC柱と低層部のCFT柱を一体化するために、間にSRC柱を介する必要があった。
同システムは、RC柱主筋先端の定着板とCFT柱鋼管内部のリブを活用し、地震時に発生する引抜き力に対して効率的に抵抗力を発生させて、RC柱とCFT柱を直接一体化させるシステムで、RC柱の下にCFTブレースを有する架構や柱抜け架構にも適用可能だ。
また、抜出し防止筋を配することで、RC柱の引抜き力に対する抵抗力を更に強め、想定外の地震に対する安全性も確保できる。
なお、「国分寺駅北口再開発事業」において施工中の西街区棟は、6~36階の超高層分譲共同住宅と柱間隔を広く取った自由通路を持つB1~5階の商業施設から成る複合用途建築で、同システムが初適用されて、自由通路における柱の本数が2割削減され、まちに開かれた空間を実現したとのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2018/01/02/index.html