ICT・画像処理技術を駆使して、桟橋を維持管理
2018年01月16日、五洋建設株式会社は、遠隔操作により桟橋下面を無人で調査する調査診断システム(以下、同システム)を開発したと発表した。
桟橋を調査する従来の一般的な方法では、3名程度の調査員が小型船に乗り込み、船上から観察して写真撮影やスケッチ図を作成して劣化状態を把握していたが、潮位の影響で調査時間が制限されるうえ、劣化度の診断・判定は、専門技術者が写真やスケッチ図を見ながら行っていた。
桟橋調査診断システムの概要
同システムは、桟橋下面に「無線式LANボート」(仮称)を航行させ、搭載したカメラにより劣化状況を撮影し、画像を3次元モデル化することでひび割れや剥離などの欠陥位置を正確に把握し、専用の劣化診断ソフトにより、劣化度を自動で客観的に診断できる。
なお、無線式LANボートは、全長が2.2mで、操船と撮影用カメラの操作を遠隔から無線で行うことが可能で、撮影用カメラには高性能のジンバル(動揺抑制装置)を搭載しているため、波浪によるカメラの動揺を抑制して安定した画像の取得が可能だ。
さらに、ひび割れなどを示したCAD図や部材の劣化度の情報を取り込んだCIMモデルにより、維持管理データとして蓄積できる。
このため、桟橋下面に調査員が立ち入ることなく、狭隘な場所でも安全に進入でき、潮位の影響を受けにくく、有人調査に比べ2.5倍の速度で調査が可能だ。また、定期的に調査して劣化の経時変化を容易に比較できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
五洋建設 ニュースリリース
http://www.penta-ocean.co.jp/news/2018/180116.html