発破直後の切羽直近にて目視で行っていた、危険な確認作業を不要にする
2018年1月10日、鹿島建設株式会社は、株式会社演算工房と共同で、山岳トンネル工事における発破後の「アタリ」を除去し断面を整形する作業の効率化を目的とした、「アタリガイダンスシステム」(以下、同システム)を開発したと発表した。
「アタリ」とは、発破掘削後に設計断面内に残った地山の不陸(凹凸)のことで、ブレーカによって除去する必要があるため、一般的には、切羽監視人が発破直後の切羽直近で目視によって確認・判断していたが、岩塊の剥落などによる被災も懸念される危険な作業だ。
また、目視確認では、アタリ箇所を見落としたり、地山を必要以上に除去してサイクルタイムや吹付材料のロスにつながったりすることもある。
アタリガイダンスシステムの概要
同システムは、同社開発の高速3Dスキャナ(実測定時間1分)を用いて計測した切羽形状の点群データと、設計断面のデータを重ね合わせ、干渉している部分を視覚的に分かりやすく色で表現できるため、アタリの有無が一目瞭然になる。
また、設計断面のデータにはロックボルトの位置を表示することで、アタリ箇所も容易に特定できるため、スキャナによる計測後30秒程度で結果を表示して、確認作業に要する時間を格段に短縮できる。
なお、現在、岩手県で施工中の新区界(しんくざかい)トンネル工事にて適用し、システムの有効性を確認した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島 プレスリリース
https://www.kajima.co.jp/news/press/201801/10c1-j.htm