メンテナンスフリーで高精度に供用トンネル内空変位の長期監視を実現
2017年12月11日、大成建設株式会社は、トンネル内空の変形状態を計測・評価するため、写真測量技術を改善したトンネル変位監視技術「T-Photo Monitor Tunnel」(以下、同監視技術)を開発したと発表した。
供用トンネルに隣接して新たなトンネルを掘削する場合、その影響で、供用トンネルの形状に変化が生じることがあるため、形状変形を計測・評価する必要がある。
しかしながら、山岳地帯などでは、寒暖差や融雪剤により発生する粉塵などの影響で、計測機器を用いて常時監視することがことが厳しく、また、車両の通行を妨げることなく、定期的なメンテナンスを行う上で課題があった。
「T-Photo Monitor Tunnel」の特徴
同監視技術では、トンネル壁面の任意の箇所に設置した炭素繊維樹脂製のターゲットを市販の高性能小型デジタルカメラで撮影して画像処理し、粉塵等で汚れたターゲットでも補正することにより、トンネル内空の変形を分解能0.1mmの高精度、かつ変位計測後30分程度で迅速に評価できる。
また、専用の小型保護ケース内に収められたカメラのみをトンネル内の任意の箇所に設置し、撮影・画像処理等のすべての操作を外部のパソコンで行うため、車両の通行を妨げない構成になっており、外部環境や粉塵の影響を受けることなく、メンテナンスフリーで稼働できる。
同監視技術を2015年10月~2016年6月まで東海北陸自動車道上野トンネル2期線工事に適用して、その有効性を確認した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/