2017年12月6日、株式会社竹中工務店は、電力線を通信回線として利用可能な高速電力線通信(Power Line Communication、以下PLC)を活用し、建設現場の仮設電力線から簡易に安定したネットワーク環境を構築するフィルター技術(以下、同フィルター技術)を開発したと発表した。
近年は、施工現場のIoT化が注目されているが、ほとんどの施工現場においてはIoT/ICT技術を活用できる無線LAN環境が整備されておらず、また、高層階・地下・トンネル内等においては、セルラー通信の電波が届かないこともある。
そこで、電力線(交流電源)に高周波の通信用信号を加えて伝送するPLC技術があるが、分電盤に設置された漏洩遮断器や電動工具等の負荷の影響によりPLCの信号が大きく減衰して不具合が生じるため、施工現場では普及していなかった。
同社が独自に開発した同フィルター技術の実証実験では、施工現場に設置した360度カメラの映像をリアルタイム配信するシステムを構築し、同社プロジェクトに試験導入した。
同システムでは、従来のセルラー通信のような無線通信コストが掛からずに、数十個規模の多数のカメラを仮設電源線につなぐだけで使用でき、映像をiPadやPCのブラウザでいつでも確認できるうえ、自動でクラウドサーバに保存され、施工記録の管理やエビデンスの確保にも活用できる。
実験では、同フィルターがない従来の場合と比較して約6倍の安定した通信速度を実現したとのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2017/12/02/index.html