化石資源に依らない究極の資源循環社会システムを創生
2017年12月6日、積水化学工業株式会社と米国LanzaTech(以下、ランザテック社)は、「ごみ」をまるごと「エタノール」に変換する生産技術(以下、同技術)を開発したと発表した。
日本で排出される可燃性ごみは、年間約6,000万トンであり、カロリー換算で約200兆kcalのエネルギー量にも達するが、ほとんど再利用されることなく、焼却や埋立処分されている。これは、雑多・不均質な「ごみ」に含まれる成分や組成が様々で、「工業原料」として扱いにくいためである。
同技術は、熱・圧力を用いることなく、ごみをエタノールに変換する革新的なものだ。
開発した生産技術の概要
同技術は、先ず、ごみ処理施設に収集されたごみを一切分別することなく、低酸素状態でごみを分子レベル(CO、H2)にまで分解して「ガス化」する。
次に、新たに開発した「ガス精製技術」により、「ガス」に含まれる夾雑物質(約400種)を特定・精製し、夾雑物質の状態をリアルタイムでモニタリングしながらプロセスを効率的に駆動する。
また、ごみに含まれる様々な成分や組成に対応するために、組成変動に応じて微生物の生育状態を調整する「培養コントロール技術」を確立して、エタノールを生産している。
なお、埼玉県寄居町にごみ処理施設を有するオリックス資源循環株式会社の構内にパイロットプラントを建設し、実際に収集したごみを、極めて高い生産効率でエタノール化することに成功した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
積水化学工業 プレスリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/2017/1314802_29186.html