前田建設工業株式会社は11月21日、株式会社ヤマコンとグループ会社の株式会社前田製作所の協力により、全国のコンクリートポンプ車の9割以上に適用可能な汎用的な遠隔操作インフラ点検ロボットを開発した、と発表した。
橋梁を点検する場合、足場や大型の橋梁点検車が必要になり、多くの時間とコストを要することがある。
前田建設工業が開発したインフラ点検ロボットは、汎用コンクリートポンプ車のブームの先端に2方向に回転が可能な装置を搭載して、多関節アームとして用いる。4段ブームの車両であれば、7つの回転軸を持つことができる。
ヤマコンはコンクリートポンプ車のオペレーションを担当し、前田製作所はブーム先端に取り付ける装置の製作を担当した。
点検者が近づくことが困難なインフラ構造物の点検箇所に、カメラや各種点検機器を近接させ、遠隔操作で精度良く点検や検査を行うことが可能である。
橋梁上部から、床版下面を観察できるためコストを3割程度削減することができる、という。
また、全国にある汎用コンクリートポンプ車に安全で容易に取り外し可能なため、災害時や緊急時には、機動的にインフラ被害の状況を確認することができる。
前田建設工業は、実地試験を行い、山間部の道路橋の損傷状況、コンクリート吹付け切土のり面のひび割れ状況、を確認したとのこと。
今後は、開発中のCIM(Construction Information Modeling)技術と連携し、自動位置合わせなど点検の一層の効率化を図り、点検・検査以外の用途へも適用拡大を目指すとのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
前田建設工業株式会社のニュースリリース
https://www.maeda.co.jp/select/2017/11/21/1695.html