天井及び屋根の部材が地震で壊れないように、柱と柱の間に筋交を入れて建築物の耐震性を強化
2017年11月9日、新日鐵住金株式会社と日鉄住金防蝕株式会社は、善光寺・重要文化財の経蔵の耐震補強工事(以下、同補強工事)において、チタン箔シート(以下、同シート)が補強材の接合に採用されたと発表した。
同補強工事の目的は、柱と柱の間に「筋交(ブレース)」を入れて建築物の耐震性を強化することで、公益財団法人 文化財建造物保存技術協会が元請として設計・施工を受注し、江尻建築構造設計事務所が構造設計を担当した。
補強工事の概要
同補強工事においては、「筋交」として炭素繊維ストランドロッドが採用され、天井及び屋根の部材と接合するために、当初は、貫通ボルトで固定する工法が候補となっていたが、チタン箔シート積層に代替する工法に設計変更された。
この理由として、チタン箔シートは、積層数を調整して簡便に強度設計でき、接合後に古材の不具合を極力抑えて保護できることや、結露しにくい材料で、更に、数百年単位の耐久性がある材料として、文化庁に認められたためで、重要文化財に採用される初めての事例になった。
なお、両社は、ライフサイクルコストの低減、社会インフラ長寿命化の観点から、素材の優れた特性を生かして構造物へのチタン適用拡大を推進している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
新日鐵住金 プレスリリース
http://www.nssmc.com/news/20171109_100.html