2017年11月1日、飛島建設株式会社は、沖電気工業株式会社(以下、OKI)と共同で、建設工事における危険エリアへの侵入や作業員と建設重機との接触を警告・防止する、「現場監視サポートシステム」(以下、同システム)の開発に着手し、東北地方整備局 宮古盛岡横断道路 岩井地区トンネル工事において実証実験を行ったと発表した。
建設工事現場では、作業エリアで複数の重機と作業員が同時に作業する場面が発生するが、重機オペレーターにとっては側方・後方とも死角が多く、接触・挟まれによる事故の危険性が高い。
このため、重機稼働範囲にバリケードを設置し、人と重機との作業エリアを分離して安全確保を図っているが、災害統計の結果では、重機が掘削・整地等の本来の作業時よりも移動、段取り替え等の時に事故が発生することが多いため、安全監視員を配置して危険エリアへの人の立入を排除する措置を講じている。
しかしながら、トンネル等、狭い場所における作業の場合、複数の重機が輻輳したり、大型重機が障害物となって死角が生じるため、安全監視員を配置しても作業エリア全体の状況を把握することは難しい実状だ。
同システムは、OKIが開発した、複数のカメラ画像とレーザー距離センサにより人物と物体を認識し、その動きをリアルタイムに可視化し把握する技術を応用したもので、監視エリア内に複数台のカメラとレーザー距離センサを配置し、顔認識・物体認識・動体認識を行う画像センシング技術で、人と重機を識別する。
なお、単独のカメラ画像では重機等の死角ができるが、同システムでは、複数方向からのカメラ画像とレーザー距離センサのデータを同期させ俯瞰マップで表すことで、監視エリア内の人や重機の動きを鳥瞰的な視点から監視でき、人と重機が近接するような危険状態を自動で感知し、アラートを通知する。
さらに、俯瞰マップ上の人や重機の動線を記録し、それぞれの行動・移動パターンの傾向を分析し、安全監視をサポートすることで、業務の効率化と監視員の負担を軽減できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
飛島建設 ニュースリリース
http://www.tobishima.co.jp/press_release/news171101.html