大成建設株式会社は10月30日、橋梁や構造物の基礎などのニューマチックケーソン工事において、重機搭載のレーザーセンサにより施工時の掘り残し土量を可視化する技術「T-ケーソンスキャナ」を開発した、と発表した。
ニューマチックケーソン(Pneumatic Caisson)工法は、水の侵入を空気の(Pneumatic)圧力によって防ぐ原理を応用したもの。
ケーソン(Caisson、潜函)下部に掘削作業を行う作業室を設け、圧縮空気により湧水を防ぎながら掘削・排土・沈下を繰り返し、所定の深さにケーソンを設置する施工法である。
いままでのニューマチックケーソン工事では、掘削・排土・沈下作業を行うごとに、掘り残した土の形状や量を作業員が測定し、地盤と接する刃口周りの掘り残し範囲(開口率)を計算してきた。
しかし、作業場所が高圧下であるため、作業時間の限定、入退出時の加減圧管理などに時間を要し、作業員の健康障害の心配もあり、作業効率が良くなかった。
そこで、大成建設は、レーザーセンサを搭載した重機の遠隔操作により、掘り残した土の形状や量を測定し、開口率をリアルタイムで定量的に算出し可視化する技術「T-ケーソンスキャナ」を開発した。
重機による掘削作業終了後、周辺の掘削状況を遠隔操作でレーザーセンサにより測量し、測量データ処理から開口率の自動計算まで、約4分という短時間で算出できたという。
これにより、短時間で掘り残し土量を把握し可視化することで、正確で効率的な施工管理、作業員の安全確保が実現できたとのこと。
(画像はプレスリリースより)
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大成建設株式会社のニュースリリース
http://www.taisei.co.jp/