鉄骨造建築物の現場溶接作業の省力化と接合部の高品質化を実現
2017年10月19日、株式会社大林組は、鉄骨造建築物における柱・梁の現場溶接作業のすべてを自動化することで、省力化、高品質化を実現する「現場ロボット溶接工法」(以下、同工法)を開発したと発表した。
建設業界では、高齢化により将来の技能労働者不足が危惧されており、入職者を確保・育成するだけでなく、省力化・省人化技術が求められている。特に、鉄骨の現場溶接作業においては、高度な技能が要求されるため、ロボットを用いた現場溶接の自動化工法の開発が急務となっている。
既に品川新駅(仮称)新設他の工事などで同工法を適用し、大断面の鉄骨梁にも高い溶接品質が得られることを確認している。
「現場ロボット溶接工法」の特長
鉄骨柱・梁で現場溶接する継手の部分は、1990年代から部分的にロボット溶接が導入されているが、溶接の難易度が高く複雑な機械制御を要する部分については、安定した品質を確保できないためロボット化が困難であった
その後、2015年2月に「現場上向きロボット溶接工法」を実用化し、2016年12月には溶接の速度制御機能を改善している。この度は、電流・電圧などの溶接条件や溶接時の動作などをさらに改良することで、柱・梁の現場溶接作業のすべてを自動化できた。
同工法は、溶接作業の難易度によらず、複数のロボットを並行して稼働させ、高い作業効率で省人化を図ることができる。
また、溶接技能者の場合には、経験や技量によって溶接品質にばらつきがあったが、ロボットは施工の再現性が高いため、高い溶接品質を維持している。
(画像はプレスリリースより)
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