2017年10月17日、清水建設株式会社は、先に共同開発し、すでに13件の適用実績がある長周期地震動対応の高性能制振ダンパー「ダイナミックスクリュー」(以下、同ダンパー)について、その制振性能とそれを用いた建物の耐震設計手法の信頼性を認証する評定(以下、同評定)を、日本建築センターから取得したと発表した。
同評定を取得したことにより、同ダンパーを用いた建築物の構造性能評価や建築確認を受ける際に、同ダンパーに係る部分の設計審査が簡素化されるため、審査完了までの設計期間が短縮される。
なお、耐震設計手法を含めて、同評定が制振ダンパーに付与されたのは今回が初めてとのこと。
同ダンパーは、柱・梁フレームの中に設置する制振装置で、地震時の建物の揺れを錘の回転運動に置換することにより、錘の自重の4500~7000倍の重量に匹敵する力(慣性質量効果)を発揮し、建物の揺れのエネルギーを吸収して低減する。
同評定を取得するに当たっては、2500トン、4000トン、6500トンの回転慣性質量が作用する3タイプについて、装置のサイズや性能を規定して標準化を図り、各タイプの性能実証実験の結果に基づいて建物の揺れに応じた動的挙動を精緻に表現できる解析モデルを構築するとともに、装置を適用する建物の耐震設計手法を確立した。
これらの解析モデルや設計手法を活用し、建物の構造特性に応じた最適なタイプの装置を選択して最適な制震効果を発揮する建物を効率的に設計できるとともに、標準化により、ダンパーを個別に設計する場合に比べ、製作費を30%程度低減できるとのこと。
(画像はプレスリリースより)
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清水建設 ニュースリリース
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