千葉大学大学院建築学コースの吉岡陽介准教授はこのたび、バーチャルリアリティ(VR)を用いた建築学習の効果について、同大の学生を対象に検証する取り組みをスタートさせた。
検証に当たっては、VRコンテンツ制作を手掛ける株式会社積木製作が「VROX ARCHI TOURS」を提供。実際の建築物を映像表現にこだわって再現しており、その内側・外側を自由に歩きまわる事ができるほか、各部の寸法を測定することも可能となっている。
千葉大学建築学コースでは学生に対し、ミースファンデルローエが設計した「ファンズワース邸」について、その図面を模写する演習課題を実施している。
この建築物は海外にある都合上、従来は建物内外の状況を写真資料と図面で解説する方法がとられていたという。一方でこの方法では、実際の建築空間のスケールや大きさを身体でとらえることは難しかった。
そこで吉岡准教授はこの課題点を解決すべく、VRコンテンツの持つ可能性に着目。メインコンテンツの1つとしてファンズワース邸を有する、積木製作のVRコンテンツ「VROX ARCHI TOURS」を活用した検証を開始する運びとなった。
今後吉岡准教授は、僻地や海外にありアクセスが困難な建築物、既に存在しない歴史的建造物などを対象とし、それらをVRで再現した建築空間を学生に体験してもらう方針だ。これが建築を学ぶ学生に及ぼす教育面での効果を検証するとともに、建築教育におけるVRの活用方法を検討していく。
またコンテンツ提供元である積木製作には、検証中の情報を随時提供。積木製作側ではこれを生かし、コンテンツのアップデートに取り組んでいく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社積木製作 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000024673.html