伸縮ダクトと集塵機・換気ファンを自動で最適制御
2017年10月11日、株式会社錢高組は、株式会社イー・アイ・ソル、株式会社流機エンジニアリングと共同で、IoTを用いて、山岳トンネル工事の換気を全自動で最適化するシステム(以下、同システム)を開発したと発表した。
これまでは、集塵機の伸縮ダクトをリモコンで操作していたが、操作時期や、集塵機と換気ファン(以下、換気装置)の運転調整のタイミングが遅れると、粉塵などが切羽後方のトンネル坑内へ充満することがあった。また、発破直後は粉塵・後ガスが充満するため、伸縮ダクトのリモコン操作を直ぐには行えなかった。
同システムは、伸縮ダクトと換気装置の状態を自動で最適化することで、運転操作の省力化、作業環境の改善、省エネルギー化を実現しており、「奈川渡2号トンネル(その1)工事」のトンネル掘削現場に初適用中だ。
「IoT自動制御」システムの概要
同システムは、トンネル現場に複数の組込型制御端末を配置して、発破検知センサーの情報・入坑者や工事車両のICタグによる位置情報・作業機械の電流値による稼働情報などを収集し、遠隔地のサーバーで保存・分析することで、吹付けコンクリートやロックボルト打設などの作業工程を自動判別して行う。
制御においては、「粉塵濃度が高くなる作業工程」を判断しているため、粉塵濃度が高まる前に集塵機の出力を上げて、伸縮ダクトを前進させておくことができる。また、通常は全自動で換気制御を行いながらも、タブレット型端末画面のタッチパネルで、伸縮ダクト・集塵機・換気ファンの状態を、容易に変更操作できる。
なお、換気ファンで約3割、集塵機で約5割の省エネ効果が見込まれるとのこと。
(画像はプレスリリースより)
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