高速掘進と不良地山に柔軟に対応できるNATBM掘削機
鹿島建設株式会社と小松製作所(コマツ)は10月11日、トンネル掘削において、高速掘進が特長の「TBM」と地質が複雑な地山に柔軟に対応できる「NATM」の優れた機能を兼ね備えた、「NATBM(ナトビーエム)掘削機」(特許出願中)を共同開発した、と発表した。
地山の変化に応じてTBMモードとNATMモードを適用
TBM(Tunnel Boring Machine)は、硬質な地山で高速掘削が可能な掘削機械だが、地質が複雑で不良地山の多い日本ではそのメリットを十分に活かせなかった。
NATM(New Austrian Tunneling Method)は、TBMより掘削速度が遅いが、トンネル周囲の地盤の保持力を利用して早期にコンクリートを吹き付け、鋼製支保工を建て、ロックボルトを打設し、地盤の安定を確保しながらトンネルを掘進する工法である。
トンネル切羽の観察やトンネルの挙動などを計測しながら施工するため、不良地山に対し柔軟に対応できる。
開発したNATBM掘削機は、硬質な地山の掘削にはTBMモード、軟弱な不良地山の掘削にはカッターヘッドを開口してNATMモードに切り替え、支保工を構築しながら安全確実に掘進を行う。モードの切り替えは、1.5日で可能とのこと。
今後、黒部川電力新姫川第六発電所建設工事の導水路トンネルの施工にNATBM掘削機を適用し、工期の短縮、コストの削減、安全確保を実現する予定であるという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設株式会社のプレスリリース
https://www.kajima.co.jp/news/press/201710/11c1-j.htm