2017年9月20日、株式会社奥村組は、供用中のトンネルでの補修・補強工事にともなう天井コンクリート表面の削り取り作業において、粉塵の飛散を防止し、高効率な作業が行える「天井用車載型乾式研掃装置」(以下、同装置)を、鉄道施設の補修工事に適用し、その有効性を確認したと発表した。
同社は、2015年に道路トンネルの補修・補強工事を対象として同装置を開発し、作業効率および作業環境の改善を図ってきたが、この度、鉄道施設に適用範囲を拡大した。
なお、従来は、天井コンクリート表面の目荒しや塗膜除去作業を人力で行っていたが、吸引式ディスクグラインダー等の重い工具を用いて上向き姿勢で行うため作業効率が悪く、また、有害な粉塵等が飛散する人体に悪い環境での作業であった。
同装置は、表面処理を行うケレン機と、ケレン機を前後左右に移動させる架台および昇降させる多段式リフター等で構成されている。
ケレン機は、円盤状研掃ヘッドと、その周囲に設けた飛散防止枠(ブラシとウレタンによる二重構造)から構成されており、研掃ヘッドをエアーシリンダーで天井面に押付けながら高速回転させて研掃作業を行う。また、飛散防止枠内に発生した粉塵等を集塵機で吸引して飛散を防止する。
この度、同装置を、横浜市交通局発注の市営地下鉄関内駅構内補修工事における、天井コンクリート面の塗膜除去作業に適用した。
この際、装置本体や集塵機等の周辺機材を、レール上を移動する台車に搭載し、モーターカーで待機場所から作業箇所へ牽引することで、作業の準備・撤去時間も短縮でき、作業全体の効率化が図れた。
さらに、作業時に発生する粉塵等の飛散も抑止され、作業環境が大幅に改善された。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
奥村組 ニュースリリース
http://www.okumuragumi.co.jp/news/2017/index9.html