2017年9月8日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、ロシアのサハ共和国政府と公開株式会社ルスギドロ(以下、ルスギドロ社)との間で、寒冷な地域である同国ティクシ市において、風力発電システムの活用に向けたエネルギーマネジメントシステムの実証(以下、同事業)に関する意向表明書に署名したと発表した。
署名式は、ロシアのウラジオストクで開催された「東方経済フォーラム」において、9月6日と7日に、NEDO、サハ共和国、ルスギドロ社との間で行われ、さらに、日本企業とロシア側関係者との間で、2件の覚書に関する署名が行われた。
なお、2017年8月28日に、同事業に係る実証前調査の委託予定先として、三井物産株式会社、株式会社東光高岳、株式会社駒井ハルテックを選定している。
NEDOは、2014年11月18日に、ロシアのカムチャツカ地方政府およびルスギドロ社傘下のRAOエネルギーシステムヴォストーク社との間で基本協定書(MOU)を締結し、カムチャツカ地方ウスチ・カムチャツク市において、300kWの風力発電機3基と系統安定化システムから構成される風力発電システムの実証事業を2016年1月から10月まで行った。
その後、成果の共有を目的としたワークショップの開催や、風力発電システムのオペレータ育成のための技術講習を行うなど、普及に向けた取組を進めてきた。
この度、風力発電システムの導入の具体化に合意した覚書2件の締結を実現させたことで、ロシア極東における風力発電システムの本格導入への道筋がついた。
なお、サハ共和国は、ロシア極東の中でも特に寒冷な地域にあるが、ディーゼル発電機の老朽化が進んでいる。
この更新の際に、既存の発電設備に風力発電機などや蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステムを導入し、系統の安定化や極寒冷地におけるエネルギー最適制御に関する技術が実証されれば、当該地域が抱える問題の解決に大きく貢献できると期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100829.html