鹿島、切羽前方の湧水圧を連続的にモニタリングする「中尺スイリモ」を開発

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鹿島、切羽前方の湧水圧を連続的にモニタリングする「中尺スイリモ」を開発

2017年09月07日 20:00

山岳トンネルにおける中尺ボーリングを活用して100m先の湧水圧を正確に把握

2017年9月6日、鹿島建設株式会社は、鉱研工業株式会社と共同で、山岳トンネル工事において切羽前方の湧水区間の水圧を連続的にモニタリングするシステム「中尺スイリモ(中尺ボーリング版 水(すい)リサーチ・モニター)」(以下、同システム)を、開発したと発表した。

山岳トンネル工事では、安全に工事を進める上で、事前に切羽前方の湧水の状況を把握し、適切な対策工を検討・実施することが、非常に重要だ。

同システムは、連続的なモニタリングにより湧水圧の変動を正確に把握できるため、トンネル掘削における安全性の向上と、工程遅延リスクの低減が期待できる。

なお、同システムは、特許出願中で、また、神奈川県秦野市で施工中の「新東名高速道路 羽根トンネル工事」において、試験的に約3ヶ月間にわたって水圧をモニタリングし、100m先にある湧水区間の水圧を精度よくモニタリングできることを確認した。

「中尺スイリモ」の概要

湧水圧を正確にモニタリングするためには、「パッカ」をボーリング孔の先端に確実に挿入し、周辺と分離した上で湧水区間の水圧のみを計測する必要があるが、パッカを挿入するためには削孔鋼管を一旦引き抜く必要があり、その際に、孔崩れが起きるなど、技術的に非常に困難だった。

なお、「パッカ」とは、孔内でゴムや布等を拡張させて、測定区間を周囲と分離する装置だ。

同システムは、先端にパッカがついた鋼管を削孔鋼管の中に通し、ビット(先端の刃)を押し出してパッカを確実に挿入する新たな機構で、先ず、中尺ボーリング孔の先端が湧水区間に到達するまでボーリング孔を削孔し、削孔鋼管を湧水区間手前まで引き抜いてから、削孔鋼管の中にパッカ用鋼管を挿入する。

次に、ビットをパッカ用鋼管で押し出し、パッカを拡張させることにより、湧水区間を周囲と分離する。

このため、削孔鋼管を一旦引き抜く作業が不要となり、手元に水圧計を接続して、先端の湧水区間の水圧をモニタリングできる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

鹿島 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201709/6c1-j.htm

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