株式会社矢野経済研究所(東京都中野区)は、5日、「シニアの住まいに関するアンケート調査結果 2013」の調査結果を発表した。これにより、潜在的需要も含め60歳以上のシニア層の4割強が、住み替えを考えていることがわかった。
この調査は、子供が独立しているシニア世代の住まいに関する意識を明らかにし、子供が独立した後の住まいの変化や、住み替えの意向、住み替え先の条件などの把握を目的として実施されたもの。
調査は今年の7月に、一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の築10年以上の戸建住宅に住み、子供が独立している60~75歳の男女823名を対象に、インターネット形式で行われた。
(画像はイメージです)
調査の結果、子供が独立する前と比べ、独立後は部屋を「活用しきれていない」と回答した割合が増えて81.9%にもなることがわかった。
また、マイホーム住み替えの意向を問う項目では、「住み替えたくない」が54.7%であった。積極的に「住み替えたい」は3.2%だが、「住み替えも考えたいが住み替えられないと思う」22.6%、「将来的には住み替えも考えたい」19.5%、と、潜在的な住み替えへの需要を含めると、全体の4割強が住み替えの意向を示している。
住み替えたい理由としては、「家の老朽化」や、子供の独立による「家が広すぎる」、「バリアフリーの必要性」など。諸条件の変化に伴い、より快適な住まいを求めている様子がうかがえる。(全体の4割強にあたる潜在需要のあると考えられる層、373名のみの回答結果より)
住み替え先の理想としては、「駅・病院・役所・買い物等の場所が近く、利便性が良い場所」61.0%が最多。「耐震性が強いなど、防災性に優れた住まい」29.8%、「現在の居住地と同じエリア」26.0%、「子供・孫の家の近く」22.4%、「掃除・手入れに便利でコンパクトな住まい(広すぎない)」21.7%と続く。
一方、「現実的に住み替えられない」理由は、「資金が工面できない」52.2%、「住み慣れた地域を離れたくない」48.9%が上位であった。(今後の住み替えの意向について、「住み替えを考えたいが住み替えられないと思う」と回答した186名の回答結果より)
同研究所では、これらの結果から、現実的な問題である資金調達が解決され、理想的な住まいが提供されれば、シニア層の住み替え需要を掘り起こす可能性があると分析している。
▼外部リンク
シニアの住まいに関するアンケート調査結果 2013(概要)
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001144
シニアの住まいに関するアンケート調査結果 2013(詳細PDF)
http://www.yano.co.jp/press/pdf/1144.pdf