非常時でも継続運転が可能な浄水場の実現へ
2017年8月25日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、国立大学法人東北大学(以下、東北大学)と株式会社前川製作所(以下、前川製作所)が、NEDO事業において、「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」(以下、同システム)を新たに考案・開発し、仙台市茂庭浄水場で実証運転を開始したと発表した。
同システムは、水素貯蔵システムと電力貯蔵装置を組み合わせて、通常時の再生可能エネルギーの有効利用と非常用電源としての機能を併せ持ち、災害時に停電が発生しても安定して継続運転が可能な次世代の浄水場の実現を目指す。
「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」の概要
同システムは、大容量化や小型化に優れた水電解装置・燃料電池・水素貯蔵システムと、耐久性、即応性、高効率性に優れた電気二重層キャパシタ等の電力貯蔵装置を組み合わせ、仙台市茂庭浄水場の20kW太陽光パネルを用いた実証システムだ。
なお、電気二重層キャパシタとは、電気二重層という物理現象を利用した、優れた充放電サイクル特性(寿命)や急速充放電特性を有する蓄電デバイス(コンデンサ)だ。
同システムの主な特徴は、水素エネルギーを用いて、非常時に必要となる3日分のエネルギーを省スペースで貯蔵し、非常時(停電時)でも太陽光発電から水素を生成し、外部からの燃料調達無しでも運転を継続できることだ。
また、通常時は、ろ過砂洗浄等の負荷平準化やピークカット/シフトを実現(ろ過砂洗浄作業:夜間から昼間へ)できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100823.html