2017年8月3日、首都高技術株式会社(以下、首都高技術)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)および国立大学法人東北大学(以下、東北大学)は、表面に汚れや傷がある状態でも、幅0.2mm以上のコンクリートひび割れを、80%以上の高精度で検出するAIシステム(以下、同システム)を開発したと発表した。
同システムは、AIを活用して、検出や記録を自動化するひび割れ点検支援システムを構築することで、作業時間をおよそ300分から30分に短縮することを目指すもので、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクトにおいて開発された。
なお、8月3日から2018年度末までの予定で、点検事業者を対象とした試験利用向けに、同システムをWeb上で無料公開し、検出精度や作業効率などの有効性を検証する。
同システムは、様々な状態にあるコンクリート構造物を撮影して多数のひび割れサンプル画像を作成し、ひび割れに特有の特徴パターンを効率よく検出する画像解析技術と、特徴パターンを高精度に識別する人工知能技術により構築され、汚れや撮影状況の影響を受けにくい。
首都高技術が点検作業の際時に道路橋やトンネルなどからサンプルデータを収集し、東北大学が路面のサンプルデータ収集と技術評価を担当、産総研が画像解析技術およびシステムの開発を行った。
なお、既存のひび割れ点検用の画像解析技術では、正解率12%程度で誤検出が多いが、今回開発した技術は、実用化の目安である80%以上の高精度で検出している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
産総研 ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/