従来よりも防音壁を小型化でき、かつ防音性能を向上
2017年8月7日、株式会社大林組は、屋外設備機器からの騒音や建設現場での工事騒音などを効率的に低減する音響管付き防音壁「サイトピアニシモ」(以下、同防音壁)を開発したと発表した。
ビルの屋上や屋外などに設置される設備機器から発生する騒音が法定の騒音規制基準を超える場合には、騒音対策が必要となるが、騒音源の周囲を背の高い防音壁で囲む従来の一般的な騒音対策では、日照や景観上の理由から、防音壁の高さに課題があった。
同防音壁は、防音壁の頂部に音響管を設置することにより、防音性能の向上が図られ、防音壁の高さが抑えられる利点がある。
なお、同防音壁は、工事中の騒音対策にも活用でき、近隣への騒音が懸念される範囲に設置することで、騒音を大幅に低減できる。既に、神奈川県内の道路工事現場で、高い騒音低減効果が実証されている。
音響管の干渉効果と音の回折減衰効果を利用し、騒音を大幅に低減
音響管には、入射した音と逆位相の音を反射する機能があり、その反射した逆位相の音と騒音が重なって打ち消し合う干渉効果により、騒音が大幅に低減される。
さらに、音には、障壁があると回り込むとともに、エネルギーが減衰する回折減衰効果がある。
同防音壁は、音響管を防音壁の頂部に設置し、上述した2つの効果を効率的に組み合わせることで、優れた騒音低減効果を発揮する。
したがって、同防音壁では、従来より高さを抑えて同等の騒音低減効果を発揮するため、材料や設置作業を削減し、防音壁を支える基礎を縮小して、コストを低減できる。
また、防音壁の高さが抑えられることで、設計の自由度が向上し、日照や景観への影響も軽減できる。
(画像はプレスリリースより)
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