2017年7月31日、飛島建設株式会社、株式会社北斗工業、および大栄工機株式会社は、山岳トンネルの覆工コンクリートの施工において、光で覆工コンクリートの打設高さをリアルタイムに「見える化」して管理する「スターライトセンサシステム」(以下、同システム)を開発したと発表した。
山岳トンネル工事で覆工コンクリートを打設する際、打上がり速度が速すぎたり、左右の打上がり高さが違いすぎると、型枠に大きな圧力や偏圧が作用して変形やずれの原因となり、打重ね時間が長いとコールドジョイントの原因となる。
このようなトラブルを防ぐために、コンクリートの打設高さを管理することが重要となるが、通常は、狭隘なセントル内から検査窓越しに照明を当てながら、目視確認している。
同システムでは、安価な照度センサとLED照明をセントル表面に埋め込み、コンクリートの有無を照度で判別して打設高さをリアルタイムに「見える化」した。
照度センサとLED照明は1つずつで1セットとなり、それぞれセントル型枠上に設けた孔に固定され、セントル表面のLED照明が発した光は、打設空間を明るく照らすとともに、防水シートに反射して照度センサに照射される。
コンクリートが打ち上がってくると、光がコンクリートによって遮られ、照度センサに光が届かなくなるため、光の強弱によって変化する照度センサの電気抵抗値を制御用PCで検知することによって、該当するセンサ部までコンクリートが打ち上がったと判断する。
同システムのPC管理画面は、コンクリートを検知した照度センサに対応する部分が青く塗られて視覚的に把握することができ、コンクリートポンプ車の吐出量や温度、設定打設量から累計打設量を引いた「残り打設量」も表示される。
また、管理画面は大型ディスプレイに常時表示する他、クラウドサーバを介してPCやスマートフォン等のブラウザ上で確認できるため、どこにでも打設状況をリアルタイムで知ることができる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
飛島建設 プレスリリース
http://www.tobishima.co.jp/press_release/news170731.html