芝浦工業大学は1日、熊本県上益城郡の「甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計」にかかる設計者選定の公募型プロポーザルにおいて、同大建築学部建築学科の岡野道子特任准教授および山代悟特任教授による提案が採用されたと発表した。
2016年4月14日の熊本地震で大きな被害を受けた甲佐町では、町民がいち早く安全・安心に暮らせるようになる環境づくりを最優先課題の1つとして設定している。
そこで町では災害公営住宅と子育て支援住宅、ならびに都市防災公園の一体的な整備をはかることを目的とし、熊本県のまちづくり事業「くまもとアートポリス」にのっとる形で公募を実施。総数24件の応募のなかから、今回芝浦工大の2名による案が採択された。
今回採用されることとなった2名の設計では、風の流れに沿った遊歩道、「ウィンドキャッチャー」となる壁を住戸に設置し西風を効果的に取り込む工夫に加え、自然光を安定して取り込める設計とするなど、自然と建築がひとつにまとまった「熊本型」の災害公営住宅が提案されている。
また、遊歩道は交流の場をつなぐ導線としても作用するほか、公園を囲むようにした住宅の配置、さらには半屋外的な土間や住戸間に「小さな憩いの場」を設けるといった工夫により、住民同士の交流にも配慮。各住戸に引きこもり孤立してしまいがちな復興地の現状を考慮し、コミュニティスペースを軸とした設計とした。
今後の計画としては、県内の建築士事務所と連携するかたちで実際の施工に取り掛かり、30戸の災害公営住宅と20戸の子育て支援住宅、ならびに広さ3,000平方メートルの都市防災公園を、提案に沿った形で建設。造成にかかる期間を除き、2019年10月の竣工を目指す方針となっている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
芝浦工業大学 プレスリリース
http://www.shibaura-it.ac.jp/news/2017/40170099.html