NEXCO西日本は27日、グラウンドアンカー緊張力の簡易的な非破壊調査手法である「X線回折を用いた応力推定手法」の技術開発に着手することを発表した。
これは、大阪大学大学院工学研究科の鎌田敏郎教授と寺澤広基助教授、大阪大学接合科学研究所の堤成一郎准教授、そして積水化学工業と共同で取り組むもの。
斜面や構造物を安定させる抑止工として施工されるグラウンドアンカー(アンカー)について、その緊張力の管理を行う上で、アンカー緊張力により支圧板や定着具に生じる応力分布を非破壊で測定し、緊張力を評価することを目指す。
NEXCO西日本によれば、アンカーの緊張力管理は従来、建設時に1部アンカーの頭部へ荷重計を設置、これを定期的に計測する方法がとられてきた。
この手法では荷重計が適切に機能している限り容易な計測が可能であるものの、荷重計については交換などが困難なため、万が一機能が低下した際はリフトオフ試験によるアンカーの緊張力計測が行われているという。
一方でこのリフトオフ試験は機器が大がかりなものとなり実施に時間を要するほか、費用も約30万円とコスト面でも課題を抱えていた。
今回開発に取り組むX線を用いた技術では、アンカー部材に生じる応力分布を、アンカー頭部にX線を照射することで非接触にて測定・評価する。この手法では効率的な調査が可能となるほか、コストも数万円台まで抑えることができるという。
今後9月から10月にかけて、山陽自動車道の切土のり面約5箇所における、約30本のアンカーを対象に現地調査を実施。またNEXCO西日本の設置しているアンカー約5万本を適用候補とし、アンカーの健全性の把握も随時進めていく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
NEXCO西日本 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/000000092.000016810.html