清水建設、超高層ビルの長周期地震動対策として、屋上設置型の新たな制振装置を開発

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清水建設、超高層ビルの長周期地震動対策として、屋上設置型の新たな制振装置を開発

2017年08月01日 16:00

長周期地震動による超高層ビルの複雑な揺れを抑制

2017年7月28日、清水建設株式会社は、複雑な揺れが生じる超高層ビルの長周期地震動対策として、屋上設置型の新たな制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」(以下、SMD)を開発したと発表した。

超高層ビルは、平面形状が長方形になると、長辺方向と短辺方向とで周期が異なる二通りの揺れが生じる。これらの揺れを効果的に吸収するためには、それぞれの周期に合わせた制振装置を各方向に設置することが望しいが、屋上でのスペースや制振装置の錘の重量の制約があり、2台を設置するのは容易ではない。

新たに開発したSMDの最大の特徴は、制振装置の動きを、装置に内蔵する別の制振装置で制御することにより、1台の制振装置で周期が異なる二通りの揺れを抑制できることだ。

新たな屋上設置型制振装置「シミズ・スイングマスダンパー」の概要

SMDは4本脚のテーブルのような構造で、テーブルの面板が鋼製あるいはコンクリート製の錘、4本脚の1本1本が2段構成の積層ゴムになっている。

同装置の中には、積層ゴムを連結する鉄骨フレーム、フレーム間に連結された内蔵型制振装置、錘の揺れを減衰させるオイルダンパーが組み込まれており、地震の際には、錘が積層ゴムを変形させながら建物の揺れを打ち消す方向に動く。

内蔵型制振装置は、SMD独特の機能で、ダイナミックスクリューにより超高層ビルの揺れを回転運動に変換して制振効果を発揮し、特定の方向に対する積層ゴムの変形を抑制しながらSMDの周期を長くする機能があるため、SMD1台で周期が異なる二通りの揺れを抑制できる。

なお、SMDの縮小モデルを製作して振動実験を実施し、1台の装置で周期が異なる二通りの揺れに対応できることを確認した。

また、既存の超高層ビルの構造データを模した30階建て、長辺・短辺方向の固有周期がそれぞれ3秒と3.5秒のモデルにSMDを適用したシミュレーションでは、南海トラフ地震の模擬地震動に対して、最大で長辺方向の揺れを52%、短辺方向の揺れを43%低減できる結果が得られた。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

清水建設 ニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2017/2017017.html

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