2017年7月20日、大成建設株式会社は、イクシー株式会社と共同で、力触覚伝達技術を利用した遠隔操作システム(以下、同システム)の開発に着手したと発表した。
生産施設では様々な自動化ロボットや装置が導入され、高効率化が図られているが、人の手に頼らざるを得ない労働集約型作業も未だに残っており、生産性向上・コスト削減・熟練作業員不足の解消など多くの課題が残っている。
特に、作業員による手作業を遠隔操作システムで行う場合に、物体の硬さ・軟らかさなどの「触覚」や物体を扱う際の「力加減」の再現は現在のロボットでは対応が困難だ。
そこで、両社は、バーチャルリアリティや医療分野などへの適用が検討されている力触覚伝達技術を利用し、インターネットを介して対象物の硬さ、軟らかさを感じながら操作し、そのデータを蓄積・学習して、ロボットが自ら作業することができるIoT技術の開発を開始した。
同システムでは、遠隔操作による物体把持などの「力加減」を現場にフィードバックする技術や、HMD等のディスプレイを介して実映像を確認しながら遠隔操作を行う技術の開発を目指す。
さらに、作業手順・作業時実映像・力加減などの操作データを保存・蓄積し、操作データの分析・編集・再生による作業パターンの最適化や、人工知能を活用した学習済みモデルを構築し、次世代高速通信規格(5G)への対応を目指している。
期待される効果としては、インターネットを介した遠隔操作により、時間・場所を問わない多様な作業が可能となり、作業員が立ち入れない環境下において「力加減」を伴う遠隔操作や、操作データの蓄積・学習済みモデルに基づいたロボットの自己判断による作業が可能となる。
また、熟練作業員の動作を記録・編集することで、効率的な技術が蓄積されるなど、生産性が向上して、コスト削減が期待される。
(画像はプレスリリースより)
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大成建設 プレスリリース
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