社会インフラ分野での人工知能(AI)技術の活用
2017年7月3日、阪神高速グループの阪神高速技術株式会社、株式会社ニチゾウテックおよび日立造船株式会社は、路面の撮影画像に対して画像認識技術を適用することで、舗装のひび割れを自動検出する「ひび割れ検出システム」(以下、同システム)を共同で開発したと発表した。
路面性状の評価を行うために、現在は、路面性状測定車「ドクターパト」に搭載されたラインスキャンカメラで撮影した画像から路面のひび割れやくぼみなどの損傷を検出している。
しかしながら、ひび割れの検出にあたっては、大量の画像を整理・処理するため、時間とコストがかかることと、目視作業のため、判断結果に個人差が生じる問題があった。
新たに開発した「ひび割れ検出システム」の概要
同システムは、撮影した大量の画像に対してFCM識別器を適用し、路面の撮影画像から自動的にひび割れを検出する方式だ。
なお、FCM識別器とは、AI技術の一種で、クラスタリング手法の一つであるFuzzy-c-means法を応用したデータ分類技術であり、ファジィ理論のメンバーシップ関数を導入して、人間の判断に近い分類結果を得ることが可能だ。
これにより、作業時間を1/5程度まで削減可能であることが確認されており、2017年度から阪神高速において本格的な運用を開始する予定。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
日立造船 ニュースリリース
https://www.hitachizosen.co.jp/release/2017/07/002663.html