大林組、耐震壁を削減し開口部の制約を低減する木造技術「オメガウッド・カラムウォール」を開発

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大林組、耐震壁を削減し開口部の制約を低減する木造技術「オメガウッド・カラムウォール」を開発

2017年07月07日 04:00

汎用木材を活用し、高剛性・高耐力の柱を安価に実現

2017年6月30日、株式会社大林組は、汎用木材を用いた高剛性・高耐力の柱を安価に製作・活用することで耐震壁を削減し、開口部などの制約を最小限に抑える木造技術「オメガウッド・カラムウォール」(以下、同木造技術)を開発したと発表した。

2010年に「公共建築物等木材利用促進法」が施行されて以降、国内では木材の積極的な利用が推奨されており、同社は、準耐火構造のローコスト木造大スパン架構技術オメガウッドや、2時間耐火木造を実現できるオメガウッド(耐火)の技術を開発し、木造の中高層建築物の構築を可能にしている。

しかしながら、国内で生産される汎用木材は、断面の幅が最大450mm程度であり、耐震性を確保するには柱・梁と耐震壁を組み合わせる必要があるため、開口部や建物内部の壁配置に制約を受けることがあった。

木造技術「オメガウッド・カラムウォール」の主な特長

同木造技術は、汎用木材として国内で大量生産される断面幅450mm、厚さ90mm程度のLVL(単板積層材)に接合金物を埋め込み、ビスなどのつづり材で一体化して、幅900mm程度、厚さ180mm以上の大断面を構成して高剛性・高耐力の柱を安価に製作できる。

このため、耐震壁を削減でき、開口部や建物内部の壁配置の制約を最小限に抑えることができるため、開口部の面積を一般的な耐震壁付き軸組工法より1.5倍程度大きくすることができ、柱を外壁にも室内にも目立ちにくく配置できるため、自由な外観表現と内部空間の有効利用が可能となる。

また、部材の組み立ては現地でも可能であり、他の工法より納期を短縮できる。

さらに、同社が既に開発しているオメガウッド(準耐火)、オメガウッド(耐火)と同じ構造の木材が使用できるため、日本農林規格(JAS)の規格品であれば、燃えしろ設計による準耐火構造や、燃え止まり層・燃えしろ層を設けての2時間耐火までの耐火構造も可能となる。

なお、燃えしろ設計とは、燃えしろを省いた有効断面を用いて許容応力度計算を行い、表面部分が燃えても構造耐力上支障のないことを確かめる方法だ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

大林組 プレスリリース(2017年6月30日)
http://www.obayashi.co.jp/press/news20170630_01

大林組 プレスリリース(2016年3月16日)
http://www.obayashi.co.jp/press/20160229_1

大林組 サーピスと技術
http://www.obayashi.co.jp/

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