大和ハウスグループの株式会社フジタは23日、フジタビルメンテナンス株式会社(FBM)と共同で、BIMモデルデータを活用した建物管理システムの構築に成功したと発表した。
これまでの建物管理業務は多岐にわたる管理情報の整理・把握が必要であることから、トラブル時の対応可能性がその時の管理者の能力・経験にゆだねられてしまうのがネックであった。
こうした課題をうけて開発された今回のシステムでは、3Dデータを用いたプラント設備管理ソフトウェア「NaviPortal」を建築設備向けに改良することで、データベースやBIMモデルを設備等の管理資料とリンクさせることに成功。
これによってBIMモデルから関連資料の検索ができるようになったほか、3Dの扱いに対する習熟度を問わないシンプルな操作が可能だ。
したがって仮に建物管理業務の経験が少ない人が対応を行う場合でも、BIMモデルの画面上で関連資料を即座に検索できることから、非常時の迅速かつ適確な対応、ならびに管理品質の向上につなげることができる。
加えて同システムでは、従来個別に管理されていた点検記録や修繕履歴が、BIMモデル上の対象設備等と自動でリンクされ、データベースで管理されるのも特徴のひとつ。
これにより、今まで十分に活用できていなかった蓄積されているデータを生かし、今後の修繕計画へ反映させることも可能となっている。
またBIMモデルデータによる建物管理システムの導入では一般的に、サーバー等の設置を含む大規模なデータベース構築が不可欠であるが、今回の建物管理システムはパソコンとソフトウェアのみで動作が可能。これに伴う導入のしやすさも、同システムの大きな特徴となっている。
なおフジタとFBMではこのシステムを医療法人相生会福岡みらい病院における建物管理業務に適用し、有効性を確認済み。今後は両社連携のもと一体的な建物維持管理ビジネスに取り組むとともに、エネルギー管理やBCPにも対応できるよう、システムの強化を図っていく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社フジタ フジタビルメンテナンス株式会社 プレスリリース
http://www.fujita.co.jp/information/2017/bim.html