産総研など、人工知能を用いた打音検査で点検漏れを防止するシステムを開発

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産総研など、人工知能を用いた打音検査で点検漏れを防止するシステムを開発

2017年06月05日 18:00

インフラ構造物の異常度マップを自動生成し点検業務を効率化

2017年6月1日、国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、首都高技術株式会社、東日本高速道路株式会社 東北支社、および株式会社テクニーと、インフラ構造物の打音検査を人工知能でアシストし、異常度マップを自動生成するシステム(以下、同AI打検システム)を開発したと発表した。

同AI打検システムは、点検ハンマーによる打音の違いを機械学習し、構造物の異常箇所と異常の度合いを自動検知して、リアルタイムで提示するとともに、点検ハンマーの位置情報と統合して異常度マップを自動的に作成する。

このため、図面化を含めた作業工数が削減され、非熟練者でも見落としなく点検作業が行えるため、全国のインフラ点検作業での活用が期待される。

AI打検システムの概要

同AI打検システムは、計測ユニット、AIを搭載する制御・記録・解析用のタブレット端末、異常を通知する携帯デバイスから構成され、主に二つの機能を提供する。

一つは、異常箇所を検出してリアルタイムで提示する機能で、計測ユニットに搭載された接触式の音響センサーと測域センサーにより、点検ハンマー打音の波形と打撃位置の情報を合わせて取得し、無線で接続しているタブレットに随時表示される。

異音が検知されると、即時に点検者が持つ携帯デバイスのLEDを点灯し、ブザー音によって通知するため、異常の見落としなく検査ができる。

なお、機械学習による異音解析技術を適用する際には、装置を使いながら機械がその場で学習していくオンライン学習手法を導入した。

もう一つは異常度マップを自動的に生成する機能で、壁面の異常箇所が示されるとともに、従来は点検員の感覚に依存していた異常度を、学習した正常な打音からどの程度異なる音かを定量的に解析し、色付けして可視化する。

検査終了直後にマップ化するため、打撃漏れなどもその場で確認して追加点検できる。さらに、異常箇所を補修する際の、詳細な損傷図を作成する作業工程を削減できる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

産総研 ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/

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