2017年5月31日、鹿島建設株式会社は、2013年に株式会社MSエンジニアリングと共同開発した、砒素などの重金属に汚染された土壌を現場で磁気分離処理して浄化する技術「M・トロン」を、このほど茨城県内の泥水式シールド工事で実際に適用し、砒素汚染泥水の連続浄化に成功したと発表した。
さらに、汚染泥水の発生量が膨大な大断面シールド工事においても、その処理能力を維持し連続浄化を可能とする処理フローを確立した。
M・トロンは、砒素に汚染された排泥水に砒素吸着性鉄粉を撹拌混合し、鉄粉に砒素を充分に吸着させた上で、磁気分離装置で鉄粉を除去するもので、泥水中の砒素を効率的に分離抽出できる。
2010年の土壌汚染対策法改正により、工場跡地などに限らず、多くの建設工事において汚染土壌への対処が求められている。
一方、シールド工事では大断面化や施工の高速化が進み、重金属を含む地盤を掘削する場合には大量の汚染土壌が発生し、その処理スピードやコスト、あるいは受入れ先の不足も懸念されている。
シールド工事での適用例として、茨城県内の泥水式シールド工事(シールド機外径2.4m)において、1時間あたり60~70立方メートルの汚染泥水を連続して処理した結果、7日間にわたる全期間において砒素濃度が環境基準値(0.01mg/L)を下回り、その十分な連続浄化性能が確認できた。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島 プレスリリース(2017年5月31日)
http://www.kajima.co.jp/news/press/201705/31c1-j.htm
鹿島 プレスリリース(2013年11月14日)
http://www.kajima.co.jp/news/press/201311/14c1-j.htm