自社開発の分別システムと併用し、有機物分離工程を効率化
2017年5月31日、清水建設株式会社は、福島県内の除染作業で発生した除去土壌を貯蔵・保管する中間貯蔵施設での適用を視野に、粘性の高い土壌を砂状に改質する中性土壌改質材「SCカラッ土」を開発したと発表した。
福島県内に整備される中間貯蔵施設では、除去土壌を取り出し、植物根等の有機物を分離した後、放射性セシウム濃度に応じて分別する必要があるが、水を多く含む粘性の高い土壌を分別装置に投入すると、ふるい目に土壌が付着し、分別効率が低下する問題があった。
また、分別効率を最大化するために、事前に土壌を改質する必要があるが、既存の生石灰等の改質材は、土壌をアルカリ性にするため、貯蔵期間終了後の再利用できなくなる懸念もある。
SCカラッ土は、これらの課題を一挙に解決する土壌改質材だ。
「SCカラッ土」の概要
SCカラッ土は、中性のシリカアルミナ鉱物を主材とする環境安全性の高い改質材で、pHを中性に保ちながら、粘性の高い土壌を砂状に改質できる。
また、原料の一部にゼオライトを含むため、セシウムの吸着効果も期待できる。さらに、改質した土壌は強度が増し、土壌の運搬、転圧、再利用等、後工程の作業効率が向上する。
含水率32.5%の畑土に立方メートル当たり20㎏のSCカラッ土を加えて混合した性能試験では、従前の10倍の強度が得られた。
(画像は清水建設公式ホームページより)
▼外部リンク
清水建設 ニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2017/2017007.html