生産能力を20%以上増強し、生産コストを削減
2017年5月30日、プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は、スロベニアの製鉄メーカーであるアクロニ社(Acroni, d.o.o.)向けに容量95トンのAOD炉および除塵設備(以下、同設備)を納入し、2017年4月に各設備の運転を開始したと発表した。
アクロニ社は、既存の生産ラインに同設備を増設して、生産能力を20%以上増強すると共に、既存の生産ラインの負荷を軽減して製品の品質を改善できる。
さらに、添加する装入材として高価な金属元素以外の低価格材も使用可能となり、生産コストが削減された。
なお、プライメタルズ テクノロジーズは、同設備を2015年中旬に受注していた。
アクロニ社について
アクロニ社は首都リュブリャナの北西約60㎞にあるイェセニツェに製鉄所を保有し、欧州のステンレス厚板業界をリードする存在で、電磁鋼および特殊鋼も生産している。
同製鉄所では、これまで電気炉で溶鋼を精練し、VOD炉によりステンレス鋼を脱炭していたが、炭素鋼に比べて処理時間が非常に長いため、生産能力向上の阻害要因となっていた。AOD炉の導入によりこの問題が解消され、生産能力と製鉄所の運用柔軟性が向上した。
さらに、除塵設備として毎時約90万立方メートルの処理能力をもつ完全自動化バグフィルターシステムも装備し、煤塵排出量を基準値未満に抑えている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
プライメタルズ テクノロジーズ プレスリリース
http://www.primetals.co.jp/japan/press/pdf/20170530.pdf