積水化学工業株式会社の環境・ライフラインカンパニーは5月18日、インフラ老朽化対策用新材料を開発し、「インフラガード(TM)」シリーズとして2017年6月から3製品を順次販売する、と発表した。
我が国の道路・トンネル・橋梁・港湾・公営住宅などの社会インフラは、高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念され、安心・安全なインフラに維持管理・更新することが求められている。
また、土木・建設分野における人材・財源不足から、メンテナンスのトータルコストの低減も必要とされている。
積水化学工業は、コンクリート構造物や鋼構造物の保全、補修、補強を行い、インフラ施設の長寿命化を可能とし、施工現場における仕上がり品質向上と短時間施工を実現する、プラスチック単体およびプラスチック複合材の製品群「インフラガード(TM)」を開発した。
2017年中に、3製品の発売を予定している。
最初の製品、6月発売予定の炭素繊維プリプレグシート(CF-PPS:Carbon Fiber PrePregSheet)は、2方向に配列した炭素繊維基材にエポキシ樹脂を事前含浸した成型用材料である。標識・照明などの鋼構造物の防食・補修・補強、コンクリート構造物の補修・補強する。
同じく6月発売予定の、CRack Joiner(CRJ)は、湿潤なひび割れ箇所に注入可能な軟質エポキシ樹脂である。変動荷重がかかるひび割れや、トンネル・地下道など湿潤状態のコンクリート構造物のひび割れを補修する。
今秋発売予定のダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)は、高いガスバリア性能を有するDLC膜を表面形成したプラスチックシートである。コンクリート構造物に弾性接着剤で貼り付け、構造物の表面保護や剥落防止に有効である。
インフラガードシリーズのキー技術は、耐食性に優れた炭素材料の複合技術、独自配合のエポキシ樹脂材料、新しい施工方法・施工機材、の3つとのこと。
積水化学工業は、3製品以後もインフラガードシリーズの製品・技術分野を継続的に拡充し、2022年度に売上高30億円を目指すという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
積水化学工業株式会社のニュースリリース
http://www.sekisui.co.jp/news/2017/1304518_29186.html