この度、鹿島建設は、歩行者シミュレーションシステム「Sim-Walker(シム・ウォーカー)」を開発したことを発表した。このシステムは、駅などの歩行スペースを利用する人たちの安全性・快適性を追求する施工計画に役立てられるという。
(この画像はプレスリリースより)
従来の駅改良工事では、流動係数や旅客密度に基づいた基準により、歩行空間の評価は実施されてきた。しかし、一定の動きをする歩行者しか評価できず、列車発着時の混雑や、空間密度のバラつきなどに対応した評価はおこなえない現実があった。
「Sim-Walker」は、「現状再現シミュレーション」「原計画のシミュレーション」「改善案のシミュレーション」の3つのシミュレーションを、「通過時間」「流動係数」「移動速度」「密度数」「交錯・回避」「停滞時間」などのさまざまな評価項目において実行することで、現状と改善点の把握が可能とされる。
これにより作業の安全性・経済性も確保しながら、安全・快適な歩行スペースが実現されることとなった。
都市部では、近年駅の改良工事の需要が高まってきている。「Sim-Walker」は、開発後6件の駅改良工事に役立てられ、歩行スペースの調査・施工計画立案に関わってきた。
また、自社開発システムである「Sim-Walker」は、その場に応じた歩行行動ロジックの追加や高密度化が簡単にできるのも特徴となっている。
今後はさらなるシステム改善に努めるとともに、駅だけでなく駅に近接する都市部の歩行空間や避難コースなど、さまざまな場面に対応したシステムの展開を進めていく方針だという。
▼外部リンク
鹿島建設によるプレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201309/2c1-j.htm