国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4月26日、トヨタ自動車株式会社を助成先として、円筒形の固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた「加圧型複合発電システム」(ハイブリッド発電システム)をトヨタ元町工場(愛知県豊田市)に設置し、実証運転を開始した、と発表した。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は、電極を導電性セラミックス、電解質をイオン伝導性セラミックスで構成されており、燃料に水素や天然ガスなどを用いて、作動温度700~1,000度で効率良く発電する。
SOFCとMGTを組み合わせたハイブリッド発電システムでは、最初に天然ガス(メタン、CH4)を、燃料電池内で改質し、水素(H2)と一酸化炭素(CO)を取り出す。
次に、小型ガスタービンのMGTにより送入された加圧空気中にある酸素(O2)と、水素および一酸化炭素の化学反応により、SOFCで発電する。
発電に使用されなかったH2やCOの排燃料と高温・高圧排気を、MGTへ送り、燃焼させてタービンを回し発電する。
SOFCとMGTの二段階発電により、定格出力250kW、55%の高い発電効率を実現する。
最後に、燃焼による排ガスから排熱を回収し、コージェネレーション(熱電併給)によりエネルギーを活用する。これにより、エネルギー総合効率が65%に向上する。
実証運転では、ハイブリッド発電システムをトヨタ工場の自家発電用設備として使用する。エネルギー効率、運転性、耐久性などを検証・評価し、SOFCの実用化に向けて、システムの開発および導入の促進を目指すという。
(画像はプレスリリースより)
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新エネルギー・産業技術総合開発機構のニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100763.html