年間生産能力500トン、量産開始へ
2017年4月25日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、NEDOプロジェクトの成果をもとに、日本製紙株式会社(以下、日本製紙)が、石巻工場にセルロースナノファイバー(CNF)の量産設備(以下、同量産設備)を完成させ、稼働を開始したと発表した。
同量産設備では、TEMPO触媒酸化法により化学処理した木材パルプから完全ナノ分散した、透明でさまざまな機能付与が可能なCNFを量産できる。生産能力は年間500トンで世界最大級。
量産設備の概要
NEDOプロジェクト「ナノテク・先端部材実用化研究開発/セルロースシングルナノファイバーを用いた環境対応型高機能包装部材の実用化技術開発」で、日本製紙は、「TEMPO触媒酸化法」の最適条件の検討や構造評価技術の開発を行い、木材パルプを原料にCNFを効率的に量産化する技術を確立した。
なお、「TEMPO触媒酸化法」は、TEMPO触媒によるセルロースの化学変性方法で、パルプが解繊しやすく均一な幅のナノファイバーが得られる。
同量産設備は、TEMPO触媒酸化法により化学処理した木材パルプから繊維幅が3~4nmと均一に完全ナノ分散したCNFを生産でき、得られるTEMPO酸化CNFは、透明でさまざまな機能を付与できる。
また、TEMPO酸化CNFは、機能性添加剤やナノ複合材などにも、幅広い工業用途での実用化が見込まれている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100761.html