膜型の圧電セラミックスを建築構造物の制振に世界初適用
2017年4月18日、株式会社竹中工務店は、鉄骨造建物の床に生じる微細な振動を低減することで、居住性を改善する制振技術「SPADA(スパーダ)-Floor」(以下、同制振技術)を開発したと発表した。
同制振技術を同社東京本店建物の一部に適用した結果、歩行などで生じる床振動を約1/3に低減する効果が実証された。
なお、ばね、減衰ダンパーおよび重り(マス)で構成されて振動を軽減するTMD(チューンド マス ダンパー)装置より振動低減効果が大きいことも確認した。
同制振技術は、建物の周辺環境などによる微振動に対しても、小型装置を取り付ける軽微な工事で対策できるため、使用中のオフィスビル、店舗、病院などの床振動の抑制に適用できる。
同技術の構成
同制振技術は、梁の端部に取付けた膜型圧電セラミックスから成る小型アクチュエータが、センサーで検知した床振動を打ち消すように梁の動きを制御して、微細な床振動を低減するもの。
なお、圧電セラミックスは、力を加えると変形して電圧を発生する圧電効果と、逆に、電圧をかけると伸び縮みして力を発生する逆圧電効果を有する機能性材料。
同制振技術では、薄い鋼板に膜型の圧電セラミックスを貼り合わせて、省スペースで、建物の複雑な変形にも追従する柔軟なアクチュエータを実現した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 プレスリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2017/04/02/index.html