株式会社安藤・間(安藤ハザマ)と西武建設株式会社は4月14日、2008年8月に一般評定を取得した耐震補強構法「Key Grid構法」(KG構法)に、完全外部施工を可能にする接合方法を追加・変更した工法について、財団法人ベターリビングから一般評定(再評定)を取得した、と発表した。
KG構法は、既存建物の梁柱接合部にピン装置「KGピン」を取り付け、建物の外側に鉄骨造の補強フレーム「KGフレーム」を新設し、KGフレームをKGピンにはめ合わせて外付けする方法。
ピン接続のため、せん断力のみを伝達する機構としているため、KGフレームには付加的な曲げ応力が発生しない。
地震の際、既存建物からの地震エネルギーを、KGフレームの柱中間に設置した制振装置「KGデバイス」で吸収する耐震補強構法である。
工事においては、施工時の騒音・振動の発生が少ない、ほとんど外部作業、建物を使いながら補強できる、工期が短い、窓などの開口部を塞ぐことがない、建物特性に応じた最適な制震部材を選ぶことができる、などの特徴を持っている。
今回、追加・変更した項目は、バルコニー付き建物に対してもKG構法を適用し、完全外部施工方式を可能とする接合法である。
既存建物と増設梁の接合をあと施工アンカー、増設梁とKGピンの接合をPC鋼棒による圧着接合で行うため、室内作業が不要となり、外部のみで施工することができる。
この方法により、建物を使いながらの耐震補強工事において、今まで難しかった室内への立ち入りが不要になったため、マンションなどへの適用が容易になった。
安藤ハザマと西武建設は、今回の耐震補強構法を積極的に展開し、学校や住宅等のストック建築物の耐震補強促進に貢献したいという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社安藤・間のニュースリリース
http://www.ad-hzm.co.jp/info/2017/pre/20170414.html