2017年4月13日、株式会社奥村組は、高速画像解析技術を応用して基礎杭の鉛直精度を定量的にリアルタイムで把握できる「画像解析による杭の施工管理システム」(以下、同システム)を開発したと発表した。
回転バケット方式やオーガー方式の杭打ち機を用いて掘削する「先掘り式」の杭施工では、杭孔を精度よく掘削することが重要で、高精度で円滑な杭施工を行うための施工管理技術が求められていた。
同システムを、愛知県伊予市発注の伊予市本庁舎改築第2期工事およびUR都市機構発注の住宅建設工事(千葉県)に実適用したところ、杭の鉛直精度を管理値内に抑えることができた。
また、算定した孔曲がり推定線と、掘削後に計測した実際の杭孔形状とを比較した結果、実施工に十分活用できる推定精度であることが確認された。
同システムは、2台のビデオカメラおよびタブレット型のメインPC(以下タブレットPC)などで構成されており、杭打ち機のロッドを2方向からビデオカメラで撮影し、この画像情報を「顔認証」などに用いられる技術を応用して解析し、杭打ち機のロッドの傾斜角と掘削深度をリアルタイムで算出できる。
また、杭孔全体の孔曲がり推定線や曲がりを修正するための最適なロッド角度なども算出できるため、掘削機オペレーターの習熟度に左右されない高精度な施工が可能となる。
さらに、同システムをスマートグラスや音声案内機器などのウェアラブル機器と連動させ、スマートグラスにその情報の一部を表示させたり、ロッドの傾きが大きくなった場合に音声案内で知らせたりして、オペレーターの負担を軽減できる。
なお、これらの情報を他のタブレット端末や現場事務所などでも確認でき、施工管理の高度化・効率化にも寄与する。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
奥村組 ニュースリリース
http://www.okumuragumi.co.jp/news/2017/index4.html