奥村組とパスコは、4月11日、山岳トンネル工事における「CIM(Construction Information Modeling/Management)用ソフトウェア」を共同で開発し、実工事での運用をスタートしたことを発表した。
国土交通省では、建設工事の業務効率化の観点からCIMの導入を推進中だ。しかし、山岳トンネル工事におけるCIM導入や運用は、非常に煩雑で時間、費用ともに多大であったことから、難しいとされてきた。
今回両社が開発したソフトウェアは、山岳トンネル工事における情報を一元管理し、3次元データ作成の簡易性と快適な操作性を実現したもので、CIM技術検討会トンネルWGによる「CIMトンネルモデル作成ガイドライン」にも準拠している。
具体的には、パスコが誇る3次元基本ソフトウェア「PADMS(パダムス)」をベースとすることで、3次元地盤モデルの作成時間を、約10分の1まで低減することに成功した。
また、他のシステム等で得られる切羽情報をはじめ、支保工パターン等の情報を、3次元地盤モデルデータに取り込むことで、情報を一元管理する。
さらに、現場で使用しているパソコンでも、3次元地盤モデル上で複数の情報が同時閲覧できるうえ、素早く画面の切り替え等もできるようになったという。
両社は、新ソフトウェアを、中部横断自動車道森山トンネル工事等に適用し、その効果は立証済みだ。
なお、今後も両社は、現場のニーズに適したシステムへの改良を共同で進め、他の工事へも展開を図りながら、CIM導入に取り組む考えである。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
奥村組・パスコ プレスリリース
http://www.pasco.co.jp/download/PPR20170411J.pdf