旧耐震基準の住宅棟を独自工法で改修
三井住友建設は4月5日、神奈川県住宅供給公社が開発した横浜市旭区の「若葉台団地」内の賃貸住宅3-5棟において、免震改修工事を実施したと発表した。
この建物は三井住友建設の施工によって1983年に完工したが、建築基準法改正以前の旧耐震基準で設計されているため、耐震診断を行ったところ、耐震改修の必要性があることがわかった。
しかし1階と2階が事務所および店舗、3階以上が住宅であることから、店舗の継続営業と住戸階での居住を維持しながら改修する必要があった。
そこでこれらの条件を満たし、優れた耐震性能を有する免震レトロフィットによる改修工事と、免震改修階となった3階部分を改修前と同じ住戸用途に復旧させる方法で工事を実施した。
ハイブリッド免震レトロフィット構法
一般的な集合住宅での免震レトロフィットは、共用部として使用されている1階の既存柱を切断して免震装置を設置するが、今回改修した建物は1、2階部分と3階以上とで平面形状や構造形式が異なるため、3階住戸階での免震改修工事となった。
地震の揺れを伝えにくくする免震装置と、揺れのエネルギーを吸収する減衰装置を併用配置するハイブリッド型のハイレトロ構法を採用し、1階と2階には耐震壁と耐震ブレースを増設した。
今後は独自開発の構造ヘルスモニタリングシステムを設置し、地震時や経年変化に伴う構造性能のモニタリングを実施する。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三井住友建設株式会社のプレスリリース
http://www.smcon.co.jp/2017/040518674/