戸田建設株式会社は3月30日、茨城県常総市における農業6次産業化構想の実現に向け、施設園芸事業の推進などを目的とする実証ハウス「TODA農房(のうぼう)」の稼働を開始した、と発表した。
常総市は、市の基幹産業である農業を活性化し、6次産業化を目指す「常総市圏央道常総IC周辺地域整備事業(アグリサイエンスバレー構想)」を推進している。
アグリサイエンスバレー構想は、分散する農地を集約・大規模化し、生産から加工・物流・販売まで一貫して処理する事業施設を整備することで、6次産業化を図り、競争力のある農業の実現を目指す取り組みである。
戸田建設は、アグリサイエンスバレー構想に官民連携事業協力者として参画し、大規模施設園芸や観光農園などの事業化を積極的に支援することで、地域農業の発展に貢献するという。
常総市周辺の地域は、従来より稲作中心の農業であったため、施設園芸の理解やノウハウが十分とはいえない状況である。
そこで、事業地の近隣に園芸施設、実証ハウス「TODA農房」を建設し、施設園芸の浸透に努め、地域への普及・発展につなげる計画である。
TODA農房は、敷地面積2,547.96平方mに、主に3つの施設から構成される。
高設養液栽培ハウスは、面積480平方mに、間口8m×2連棟、軒高2.9mの軽量鉄骨造フィルムハウスである。主要設備は、高設養液栽培ベッド、養液自動給液システム、環境制御システム、環境測定システムなど。
育苗ハウスは、面積183平方m、軒高2.2mの押込式パイプハウスである。主な設備は、採苗施設、育苗施設、自動潅水システムなど。
選果・出荷作業所棟と資材庫は、72平方m、鉄骨造の建物で、大型冷蔵庫を備える。
当面は、いちご(品種:紅ほっぺ)の高設養液栽培を行って、栽培に関する技術的な問題に取り組みながら、実際の農作物の栽培・出荷・販売を通じて、 農業経営に関するデータおよびノウハウを蓄積する予定である。
TODA農房は、2017年3月から約10年間の稼働を予定している。
戸田建設は、実証ハウスで培った技術・経営のノウハウをアグリサイエンスバレー構想に活かすことで、常総市における農業の発展に寄与する。
また、ノウハウを蓄積し、将来的には農業6次産業化の全国展開を目指すという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
戸田建設株式会社のニュースリリース
http://www.toda.co.jp/news/2017/20170330.html