2017年3月6日、大成建設株式会社は、好気性細菌Rhodococcus jostii RHA1株(以下、RHA1株)を実汚染サイトに注入し、塩素化エチレン類汚染地下水を短期間で浄化できることを、実証したと発表した。
同社は、国立大学法人 長岡技術科学大学および独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)との共同研究により、塩素化エチレン類で汚染されたサイトにRHA1株を注入して、地下水を浄化できることを確認しており、実汚染サイトでの浄化効果の確認と、更なる浄化効率の向上が提言されていた。
なお、RHA1株の安全性は、経済産業省と環境省が策定した「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」において認定されている。
この度の、実汚染サイトにおける浄化試験は、環境省の「2015年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」の対象技術に選定されて行ったもので、車載型注入装置を用いて大量培養したRHA1株を含む菌液を帯水層に注入して試験を実施している。
RHA1株を注入後、地下水中の溶存酸素濃度を高めた条件では、塩素化エチレン類を約1ヶ月程度で基準値以下まで浄化した。
従来の揚水処理による浄化方法と比較すると、浄化期間を1/3以下に短縮、浄化コストを3/4に削減し、浄化期間中に発生する二酸化炭素量を約1/7に削減できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース(2017年3月6日)
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2017/170306_3705.html
大成建設 プレスリリース(2014年11月6日)
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2014/141106_3916.html