戸田建設株式会社と有光工業株式会社は3月1日、トンネル工事や解体工事等の建設工事現場で発生する浮遊粉じんを効率的、効果的に除去する「帯電ミストを用いた粉じん除去工法」を開発した、と発表した。
建設現場では、施工中に大量の粉じんが発生し、現場作業員の健康や安全が脅かされている。
一般的な粉じん抑制対策は、粉じんの発生源の近くに集じん装置を設置することである。しかし、トンネル工事現場は、工事の進捗とともに粉じんの発生場所が移動するため、集じん装置の移動や再設定に大きな労力やコストを要する。
戸田建設と有光工業は、建設工事現場で発生する浮遊粉じんが、化学成分・含有水分・粒度等の材料条件、粒子噴出圧力等の施工条件、環境条件等により、正(+)または負(-)に帯電していることに着目し、新たな粉じん除去工法を開発した。
浮遊粉じんとは逆の電荷を、誘導帯電方式により帯電させた直径50~100μmのミストを噴霧すると、粉じんとミストが合体し、落下する。合体する粒子径を大きくすることで、落下速度が速くなり、粉じん濃度を効率よく低下させることができる。
室内試験の結果、帯電ミストの噴霧は、ミストを噴霧しない場合と比較して約2.5倍、帯電させていない通常ミストと比較して約1.5倍の粉じん除去効果があることを確認した。
開発した工法を施工中のトンネル工事現場に適用したところ、各作業工程において、切羽から50mの位置における平均粉じん濃度が、厚生労働省の定める目標値3.0㎎/立法m以下であることを確認した。
電気集じん機の使用でも同様な効果を得られるが、粉じんの発生場所に柔軟に対応できる今回の工法の方が、設置・移動に要する労力やコストの面で優れている。
戸田建設は、「帯電ミストを用いた粉じん除去工法」を、トンネル工事以外の建築・土木の解体工事に対しても積極的に展開し、現場作業員の健康と安全を守っていく方針である。
(画像はプレスリリースより)
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戸田建設株式会社のニュースリリース
http://www.toda.co.jp/news/pdf/20170301.pdf