国指定重要文化財6棟を再建
清水建設は、3月2日、熊本県阿蘇市に位置し、昨年4月に発生した熊本地震にて、国指定重要文化財6棟が甚大な被害を受けた「阿蘇神社」の災害復旧工事が本格化していることを明らかにした。
プロジェクトの概要
同社は、今回、江戸時代末期に建設された楼門の解体・調査と他の国指定重要文化財5棟の部分解体・修理を受注した。
具体的に、楼門については、昨年末までに、楼門全体を覆う、高さ9.8メートル、幅22.5メートル、奥行き25.3メートルの素屋根を建設した。解体工事は、1月初旬から上層の屋根部よりスタートし、解体した部材は損傷状況を調査。解体が終わり次第、素屋根を解体し、再建工事に備える計画である。
また、神殿群については、損壊の激しい三の神殿の部分解体や修理を進めており、順次、二の神殿、一の神殿を手掛けていく。まずは、建物の骨組みに付随する造作部材を解体し、骨組みをすべて露出したうえで、柱の傾きや造作部材の再利用ができるかどうか等を調査するという。
さらに、神幸門、還御門については、屋根をジャッキアップして組物を補修する等し、屋根をジャッキダウンして元に戻す予定だ。
祭事スケジュールの維持に尽力
阿蘇神社には、約2,300年の歴史があり、「おんだ祭」をはじめとする重要な祭事も数多い。
同社は、今後も引き続き、伝統木造技術をいかしながら、重要文化財の工事を慎重に進め、阿蘇神社の復旧・復興に努めていく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
清水建設 プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2017/2016054.html