日本国土開発株式会社と株式会社科学情報システムズは3月3日、タブレット端末とディープラーニング技術を活用したコンクリート表層品質評価システムを共同開発した、と発表した。
ディープラーニング(深層学習)技術とは、多層のニューラルネットワークを利用して、AI(人工知能)が学習データから自動的に特徴を抽出する学習アルゴリズムのこと。
社会インフラの基礎となるコンクリート構造物は、耐久性や長寿命化が課題であり、構造物の品質を長期間維持・管理するため、コンクリート表層の状態を評価し記録することが求められている。
日本国土開発と科学情報システムズが開発したコンクリート表層品質評価システムは、コンクリートの表面を撮影するだけで、コンクリートの定量評価を行うことができるという。
コンクリートの評価者は、コンクリート表層品質評価システムをインストールしたタブレット端末で、現場のコンクリート表面の写真を撮影するだけである。
写真をクラウドシステムに送信すると、クラウドサーバーのAIソフトが写真を分析して、コンクリート表面の状態を1.0~4.0に点数化し、その結果をリアルタイムにタブレット端末に表示する。
したがって、評価結果は個人差がなく、誰でもどこでも同じ基準で定量評価を行うことができ、情報を共有することが可能である。
定量評価には、ディープラーニング技術を採用した。日本国土開発のコンクリート診断士等の専門家が、数千枚のコンクリート表層のデジタル写真を評価、点数化し、その結果をシステムに学習させ、学習モデルを構築した。
今後データが増えるにつれて、より正確な定量評価が可能となる。
工事管理者は、リアルタイムにクラウドサーバー上で評価を確認できるので、耐久性の確保や向上、PDCA(計画・実施・評価・改善)による施工品質の向上に活用できるとのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
日本国土開発株式会社のプレスリリース
http://www.n-kokudo.co.jp/news/data/15032017090335.pdf